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「ラ、ラビ!あんな勝手に話し変えちゃって、どうするんですか!?しかもあんな皆の前でキ、キスなんて!!」

未だに混乱しているようで、顔を真っ赤にしてラビの腕の中でワタワタしているアレンが可愛い。

「良いじゃんvvジェリーは喜んでくれてたしさvvそれに、見せ付けたかったし〜〜♪」

「そ、そんなことして僕らが恋人同士ってばれたら!」

いや、もうばれてるし、絶対。とこっそり胸のうちでラビは呟く。

「良いんさ。アレは牽制だし」

「は?牽制?」

もともとアレンはその容貌と人柄で教団内でも1、2を争うほどの人気者だ。
そんなアレンが今回あんなに愛らしく美しいジュリエット役を演じたことで、更に人気が高まったことはアレンに向けられた熱い視線の数だけで容易に図れる。
自分がどんなに人気があるか分かっておらず、危機管理の少ないアレンの身を不埒な狼から守るのには、良い牽制になったと思う。

「もう、勝手にシナリオ変えてリナリーに怒られたら…」

「怒らないさ…それに、さっきも言ったけど、芝居でも何でもハッピーエンド以外は嫌なんさ。アレンと一緒ならなおさら」

「ラビ…そうですね…恋の物語なら幸せな結末の方が僕は好きです」

『ロミオとジュリエット』

素晴らしい物語だけれど、僕らの恋物語には哀しい結末はいらない。
どんな苦しい戦いが待っていたとしても、やっと手に入れた一世一代の恋を貫いてみせる。

「それにしてもアレン…すげぇ綺麗さ…もう、我慢できないさ!」

「え?我慢って?うわぁ!?」

アレンを抱えてるとは思えないほどの速さでラビはいきなり走り出した。

「アレンくーん、ラビー?パーティの続き…って、あら?いないわ…さっきまで声聞こえてたのに…まあ良いか、邪魔はしないでおきましょvv」

ご馳走食べられなかったことでアレンにほんの少し(?)怒られるかも知れないけれど、今二人が幸せなら。

パーティはこれから。

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