shortcakes flavor after

夕方、日が暮れ始めた頃までアレンの甘い身体を堪能していた俺。

「ら、びっ…もう、無理っ…」

だけどまだまだアレンが足りなくて、更にアレンに圧し掛かろうとしていた俺に歯止めを掛けたのは、部屋の扉をノックして掛けられたリナリーの声だった。

「アレンくーん、ラビ、いないのー?」

快楽の余韻から抜け出せずにいたアレンの意識も、今のリナリーからの呼びかけで一気に現実に引き戻されたらしい。

「リ、ナリ―っ!」

「はぁ…」

どうやらタイムアップらしい。
無視することも可能だが、そうすればいろいろと後が怖い事間違いなしだ。
普段は優しくて穏やかな可愛らしい女の子だが、怒らせると怖いのだ、リナリーは。
それに約束を破るなんてことは、アレンが一番嫌う行為だ。その相手が女の子なら尚更、紳士であるアレンには絶えられないことだろう。
だから渋々とではあるが、解放してやる。

「今から行くから、先に行っててくれさ」

部屋の外にいるリナリーに聞こえるように、俺は声を掛けた。

「待ってるから、早く来てね」

パタパタという足音が遠ざかったところで俺は完全に身を起こすと、行為が激しかった所為で今だ起き上がれないでいるアレンをゆっくりと起こしてやり、俺自身が再びその気にならない内に身体を綺麗にして身形を整えてやった。
だが。

「やばい…アレンの顔…まだ色っぽ過ぎさ…」

散々俺が啼かせた所為で目は未だ少し潤んだままだし、火照ったままの頬が俺の言葉によって紅くなる様が、また一段と艶を増してしまう。

「な!?―――誰の所為ですか!?ばかラビ!」

「こんな色っぽ過ぎるアレン、他の奴らなんかに見せたくないさ〜〜〜」

「―――っも、もう、バカ言ってないで、行きますよ!!」

「ちょ、ちょっと待つさ〜〜〜アレン!!」

ふらふらした足取りで部屋から出て行くアレンが心配で、俺は急いで着替えると後を追った。





「もう、一人で大丈夫ですから、手、離してくださいよっ」

「い〜や〜さ〜」

アレンの身体がふらついてるのが心配だという理由もあったが、こんな可愛いくて色っぽいアレンに、他の男が変な気を起こさないよう留めを刺す為に俺は、恥ずかしがり逃れようとするアレンを逃がさないように腰を抱いて歩いていた。

「ちょっ、ラビ!!」

「離さねぇさっ!!」

「さっさと入れっ!このバカップル共が!!」

食堂前のアレンと俺の攻防に、終止符を打ったのはいつの間にか背後に立っていた黒髪の美形。ユウの苛立ち混じりの蹴りだった。

「「うわぁ!!」」

何とか転ぶのだけは免れて、図らずもアレンを抱きしめたままで飛び込むように食堂内に雪崩れ込んだ俺たちを迎えてくれたのは。

「ハッピーバースデー!!ラビ!」

何発もの派手なクラッカーの鳴る音と、大勢の人たちの俺の誕生日を祝う声。

「リナリーたちが、用意してくれたんですよ。僕がケーキ作るので、いっぱいいっぱいだったから」

カラフルな横断幕に、美味しそうに湯気の立つ豪華な料理の数々。

「嬉しいさ…ありがとう」

その言葉を合図に、俺はたくさんの人々に囲まれて。

「おめでとう…ラビ」

リナリーをはじめとする気の良い仲間たちからの純粋な祝いの言葉と。

「ふん、一つ年取った分、もう少し大人になるんだな」

「まったくじゃ、少しは落ち着きを持ってもらいたいわい」

きっと照れが先にたってしまって素直に祝えないのであろう親友(本人は否定するけど)と、師からの少し遠まわしな祝いの言葉と。

「くそっ!!この幸せもんが!!」

「独り占めしやがって!!」

「羨ましすぎるんだよ!この野郎!!」

腕の中にアレンを未だ抱きしめたままの俺が羨ましいのか、それともアレンの未だ微かに残る艶めく表情に何かを読み取ったのか。
多分どちらもだろう。
そんな俺の幸せを妬む輩たちにもみくちゃにされた。
ほっぺた抓られたり、髪の毛を必要以上にぐちゃぐちゃにかき回されたりしたけれど、アレンは楽しそうに笑っているし、妬まれるのも気分が良い。

「誕生日、おめでとう。…生まれてきてくれて、ありがとう。ラビ」

「ありがとうさ、アレン…ありがとうさ!皆!!」





愛しくて堪らないアレンと、大好きな仲間たちに囲まれて。





幸せで賑やかなパーティが、今始まる。

何が書きたかったのかって?
アレンが自分のものだって、見せびらかすラビが書きたかっただけ(どどーん)
まあ、微妙に外れている気もしますが…(=д=)

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